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タイトル動画はフェリ磁性体でできた棒磁石をワイヤーでつるしておき、マッチの火を近づけると、ある温度で棒磁石が反転し、マッチを遠ざけると、もとに戻る現象を示しています。このような性質を持つフェリ磁性の研究はフランスの有名な物理学者ネールによって1948年に予言され、この動画のような実験でも実証されました。ネールはフェリ磁性の解明により1970年にノーベル賞を受賞しています。
Fig.1にこのような面白い温度特性をもつフェリ磁性の機構について示します。フェリ磁性体は、それぞれ温度特性の異なる2つの副格子からなり、それら2つの副格子の磁気モーメントの和がトータルの磁気モーメントになります。N型のフェリ磁性では、ちょうど2つの副格子の磁気モーメントが打ち消しあう温度が存在し、その温度は補償温度(Tcomp)と呼ばれています。1)
ここでは、この20世紀後半に行なわれたフェリ磁性の実験を、21世紀のナノテク技術を駆使し、マッチ棒の代わりに環境制御SPM、E-sweepを使い、フェリ磁性の棒磁石の代わりには、シャープ株式会社様にご提供いただいた、次世代の高密度ストレージとしても注目されている熱アシスト記録媒体の記録マークを使って、ナノスケールで再現した実験について紹介いたします。 Fig.2は熱アシスト記録マークを、試料温度を変化させながら、SPMの一種であるMFM(磁気力顕微鏡)による観測を行なった結果です。測定領域は約4μmです。MFM像のコントラストが補償温度(この例の場合約40℃)を境に反転しており、フェリ磁性の磁束反転がナノスケールで捉えられています。この試料のマクロな磁化-温度特性(Fig.1)の測定結果と、Fig.2の各温度でのMFM像のコントラスト差が量的にもよく一致していることが実験的に確かめられました。2)
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| 引用等: |
| (1) |
近角聰信、強磁性体の物理(上) 第3章、裳華房(1996). |
| (2) |
山岡武博・荻本泰史・渡辺耕輔・小嶋邦男・片山博之:
"N型フェリ磁性記録マークにおける磁束反転の温度制御MFM観察",日本応用磁気学会誌,
Vol.30, No..4 (2006) 472-475. |
| (3) |
T. Yamaoka, Y. Ogimoto, K.
Watanabe, K. Kojima, and H. Katayama: J. Magn. Soc. Jpn.,
30, 472-475 (2006) (in Japanese). |
| 関連文献: |
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•IMC16(第16回
国際顕微鏡学会議), 2006年9月、札幌でのポスター講演、ランチョンセミナーでも紹介させていただきました。 |
| •走査型プローブ顕微鏡セミナー2006 〜SPM-FIB-SEMのコラボレーション〜 (2006年6月東京、7月大阪)でも紹介させていただきました。 |
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